iPhone15を定価で買えない僕たちへ

2023年7月下旬 僕は仕事をやめる決心がついた。長年勤務医で市の一番大きな基幹病院で働いてきた。入院患者が500人はいて病院で働く人は何百人もいるような組織で研修医から働いてきた。一般的にはサラリーマンでお金の知識はまるでない。私自身税務なんて考えたこともなかった。

 

それから転職活動してこの9月から新たな職場で働いている。個人事業主として。
そこで確定申告のこと、経費計上など税務に関する本に出合う。
新しい職場で必要なことはいろいろとある。初めて税理士に仕事を依頼することになったし、個人事業主の届け出というものがあることも知った。
個人事業主になって一番驚いたのは仕事で使用する物品が経費として認められる点だ。
それは交通費に仕事仲間でランチョン会議した食費も事務所として使っている自宅も一部が経費になるということ。

サラリーマン時代には考えたこともない経費。
今までは給料から仕事上必要なものを揃えていたけれどこれからは仕事上必要な行為は
経費で計上し所得から差し引いた収入に税金がかかることになる。全く知らなかった世界だ。

サラリーマン、法人の社長、個人事業主。この人たちは同じ日本人のはずだ。なのに税の優遇という意味では3者3様。そしてお金の知識が圧倒的に足りない人種がいる。サラリーマンだ。なぜかと言えば給料から天引きされ自分がいくら社会保険料や税金を納めているかどのくらいの人が把握しているだろうか。

そもそもきちんとサラリーマンが税金や社会保険料の金額を把握していたらこの社会システムのままであるはずがない。節税も全く考えなくていい代わりに無条件に税金として国や地方自治体に吸収されているのはあなたが稼いだお金そのものだ。

 

ヒトラーの時代にドイツが国民から取りこぼしもなく効率的に税金を徴収する制度を日本が採用したことに始まる源泉徴収という仕組み。会社組織に税務をすべて任せることを義務付け、社員はその煩雑さから解放される代わりにピンハネを許容させられているに等しい。

実情をしれば怒りしか湧いてこないのだけれど個人事業主になるか起業でもしない限り自分の給料の何割が自分の財布から抜かれているか知らないで過ごしている人が大半のはずだ。節税も考えなければ、経費も考えない社会人。お金の使い方などお金に対するリテラシーが全く育たない。学校でも教えない。それでいてどうやって政治などの社会生活に参加できるのだろう。

考える能力を奪って納税させて上級国民だけで大事な社会決定を行いますって状態がこの日本と言っても過言ではないだろう。

 

具体的に考えてみよう。iPhone15の最上位モデルが18万円だそうだ。
サラリーマンはiPhone15を買うためにいくら稼げばいい?

18万円、、、と言いたいところだが18万円をサラリーマンが捻出するためには社会保険料も、所得税も差っ引いた状態で18万円を捻出せねばならない。

つまりサラリーマンは18万円+税金+社会保険料を稼がねばならない。高所得サラリーマンなら稼ぎの半分は税金や社会保険料なのだから36万円近く稼がなければならない。

一方法人社長や個人事業主がiPhone15を経費でおとせるとしたら?
18万円は売り上げから18万円として払えばいい。会社の経費として会社が18万円払うだけ。もちろん自分が作った会社(あるいは個人事業)で稼いだお金だが支出が全く違う。

いやいや会社のお金で個人のスマホを買うのは違法だと言うかもしれない。であればこのiPhone、会社で半分プライベートで半分使うと申告し9万円自腹、9万円は会社が負担してみたって36万円もの金額を払わなくても済むことには変わりがない。

このような経費計上はスマホに限ったことではなく自宅の仕事部屋を会社の事務所として使っていると申告すれば家賃だって一部経費で落とせる。接待費や会議費など日常生活で『この出費は経費にならないだろうか?』と考える癖がつく。

 

無税入門を読むと起業して会社の社長になるか個人事業主になるのがどんどんと魅力的に思える。そんな人には以下の本を紹介しておきたい。今まで支出に無頓着だったりお金に興味がなかった人でも読んでみると他人ごとに思えなくなるのが不思議なくらい。現実に税という形で搾取されている可能性を頭の片隅にでも明確に刻むきっかけになると思う。

無税入門。どんな仕組みで税金が課されているのか、どうすれば合理的な納税ができるのかに応えてくれる本。

このようなからくりを知る機会すら与えられないのがサラリーマン。新卒から退職まで一つの組織に雇用され勤め上げることが美徳との社会風潮は誰にとって美徳か。税務署であり、地方時自体であり、国ということになる。

 

1980年代に生まれた僕は小さなころから少子高齢化と叫ばれて生きてきた。それが2020年を過ぎても尚叫ばれ続け少子化は悪化している。地方時自体や国の政治家がいかに無能か。そして国民がいかに飼いならされてしまったか。納税や社会保険料を疑わない国民にうまい汁をすすり続ける政治家や役人。構造自体が変わっていないから少子化一つ解決できない。彼らに多額の税金を払うのが馬鹿らしくなる。払うにしても最小限、これを徹底したい。お金の使い方から社会参加のきっかけが生まれると思った本。以下にご紹介。

 

個人事業主になりたくなってくる本。

個人事業主になったら領収書をどのように経費計上するか具体例をもって導いてくれる本

収入が青天井のバブル期に生きる日本人ではないからこそ今後は税やお金にアンテナを張りつつ生き抜きたい。
そんな風に生きるきっかけになれば!